■「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」プレスプレビュー [Page3]

5.乗車レポート
出発すると、Uターン状に左に曲がって巻き上げ開始。この巻上げ開始までのUターン部分は前にも書いたとおり、キューラインの上を通過して行く感じ。プレビュー当日はキューラインにはほとんど並んでいなかったので何も感じませんでしたが、通常運用では、どわーっと人が並んでいるわけで、結構な人が見上げていることが予想されるわけで、とっても見られてる感があるのではないかと思われるわけです。

巻き上げまでの間に出発前に選んだ曲が始まります。本格スピーカーで結構な爆音です。これなら乗車中でもぜんぜんOK、ばっちり聞こえて大迫力。ちなみに隣で違う曲を選曲した場合どんなもんか。スピーカーのあたりが顔の辺りを囲うような構造なので、ヘッドレストに頭をつけるようにすればすっぽり音楽に包まれて、隣の曲はほとんど気になりません。



巻き上げはこんな感じでチューブ状に覆われてます。中腹あたりから壁が無くなって骨組みだけで、外が見えるようになります。このチューブ、思わぬ効果として、ライドから流れる爆音の音楽がチューブに共鳴してなんか気分いいです。低音はぼうんぼうん響くし、なんだか不思議な雰囲気をかもし出してます。

ドリカムの選曲の場合、このチューブのあたりでちょうど歌い出しくらいなんですが、すげーいいです、コレ。コースターがスタートしたワクワク感をあの軽快でウキウキするような歌いだしで盛り立ててテンションがんがん上がります。音楽と巻き上げの融合、かなり効果的です。通常、巻上げって、苦手な人には緊張・恐怖の時間でしか無いんでしょうけど、この曲付きならワクワクできるんじゃないかなぁ。



夜になるとチューブ内でちょっとしたイルミネーションもあります。外観だとこんなん。いい感じでしょー。テンションもさらに上がるってなもんです。


すっかりハイになったテンションのままファーストドロップ!いつもより自然に絶叫できる感じ。落下角度は59度。なかなか侮れません。巻上げからドロップの間に平らな部分は無く、最後尾座席だと結構な引きずり込まれ感を味わえます。ただ、やはし落差が小さい為、落下感はいまいち。でもまぁそこそこ楽しめるドロップではあります。

ドロップ直後、最下点でクイっと右へカーブ。最も速度にのっているはずの箇所なわけで、ここでクイっといったらどんな感じだろうかというのが乗る前の話題だったわけですが・・・んー、記憶なし。てことは特に強いGがあったわけでもなさそうです。これも異常に 滑らかな走行が成せるワザでしょうか。



ファー ストドロップの後は、やってきましたキャノピー越えの大キャメルバック。上のレールを右から左へ。ここではこのコースターの醍醐味、体がふわっと浮いちゃうエアタイムが楽しめるはず。さてそのできばえはいかがなものか・・・・・お?おぉ〜、いい、いい、いいんじゃないっすか?合格合格。確かに海外の名だたるコースターに比べれば物足りないかもしれません。、あ〜、もう一声!って感じはあります。でも十分気持ちいいエアタイムです。間違いなく日本ではトップクラスの気持ちよさでしょう。

ここで効いてくるのがあの超絶開放感のライドです。ぜひ両手ハンズアップ、両足ぶらぶらで体の力を抜いて堪能してちょうだい。え?こええ?だーいじょぶだってば。絶対振り落とされたりしないから、ライドを信じて。ここでカチンコチンになってたら楽しめませんよ〜。


ちなみに下のレールはこの後のホースシューの後の戻りで左から右へ。ここで注目。レールとキャノピーの曲線がぴったんこですねぇ。ここのレールは浮き具合だのなんだのの計算よりもキャノピーと曲線を合わせる事を優先させたそうです。ほほぅ。
ついでにもういっこプチ情報。このキャノピー越えのキャメルバックは、支柱の間隔がこのコースターの製造メーカーのB&M史上最長なんだそう。へぇ。たしかに設置条件的にはこれ以上支柱間隔縮めたくないもなぁ。がんばりましたね。




前でちょいとバラしちゃいましたがキャメルバックの後はこーんなブーメランターン。オフィシャル名は「ホースシュー」。いやいや、水が出るやつではなく、馬蹄ね。そんな形でしょ。下がものすごいつぼまった、なかなか不思議な形。


ホー スシュー最下点の拡大。帰りのレールは行きのレールの下をくぐるような感じです。ホースシューへの進入は、キャメルバックのあとぐぐーっと左に寄ったと思うとクイっと右に振ってそのままぶわーっと上昇。頂上では、なかなかの高度感と、いい感じのカント。左端のシートなら地面が真横で落ちそうな雰囲気が楽しめます。落下後は行きのレールの下をくぐり、建物の間をすり抜けて、例のぴったんこ曲線のキャノピー越えキャメルバックへ。


キャノピー越えのあとのコース展開は写真参照してください・・・・いえ、なんでもないです、ごめんなさい、ちゃんと順追っていきましょう。


キャノピー越えの後はホームの上、エントランスの上を2連キャメルバック。きーもちーぜぇー。この辺に来るともう緊張もほどけて楽しくなってきているんじゃないでしょうか。エアタイムでふんわりふわふわ空を飛んでる雰囲気が味わえるはず。このコースターが目指す爽快感が最も感じられるところです。下からみるとえらいゆっくりの走行に見えますが、実際乗るとそれなりに速度感は感じられます。

キャメルバックでは、先頭車両ではキャメルバック進入時にぶわっと浮く、最後尾では頂上を越えるあたりから浮いてそのまま引きずりこまれます。まあ、理論どおりの体感ってとこでしょうか。スリルを求めるのであれば最後尾がお勧めですね。


2連キャメルバックの後、この看板の裏でブレーキング。外から見てると、かなり速度が遅く見えるので、おいおい、この速度でさらにブレーキングして後のコース走りきれるんかいな、と心配になっちゃう。


ブレーキングの後は水平ループ。オフィシャル名称はダブルへリックスです。写真左端がさっきのブレーキングポイント。ぽんっと落として左にターンしながらふわっと上昇。このふわっと上昇は見た目浮きそうで期待するんですが、残念ながら浮遊感は感じられません。そしてレールを追っていくと分かりますが、この水平ループ、登りです。おもわず、ブレーキング後のあのスピードでのぼりきれんのかよーとおもっちゃいますが、大丈夫です。まぁ、水平ループの最上部より、ブレーキングポイントの方が高いんだから理論的には当たり前といえばあたりまえですな。


ループ中、プラスGは感じられるものの、速度がそれほどでもないということもあり、控えめなG。楽しく回れる爽快なループです。おもしろいのは、上の写真をみると分かりますがこのループの下には普通にゲストが入ることができます。ライドから見ると、下からから見上げてる人が見えて新鮮です。レールもかなり近いので、下の人に手を振ったりなんてこともできそう。


水平ループの後は、来たレールの下を戻っていきます。このちっちゃいホップ、これも最後のお楽しみでちょこっと浮きます。しかし、ここもまたゲストからレール近いですよねぇ。手伸ばしたら届きそうな勢いだ。こんなところを走行させても、パークの雰囲気に影響させないために、超絶静かな走行音が効いてくるわけですねー。ていうか、こんな感じなので、いかに乗車中に物が下に落ちたら危ないかが分かりますね。それで、きびしー持ち物規制が行われているわけです。


そして最後に屋内部分に突入。ちょうどブレーキングポイントの下ですね。この中では・・・・っと、楽しみにしてる人がいるかもしれないので一応ネタバレ警告しときましょうか。

----------ネタバレ注意!屋内部分について書きますよ〜----------


もういいかな?って、まぁそんなぎゃあぎゃあネタバレとか言うほどのことはなんもないです。屋内部分はすっげー短くて、通過時間はほんの2〜3秒程度。中では通過にあわせて順番にぱしゃぱしゃぱしゃっとフラッシュライトが光って目くらまし。以上。まーまー、ないよりいいでしょ。知らなければちょっと、おっ、っと思いますよ。


---------------------------ネタバレ終了-------------------------

屋内部分を抜けるとブレーキングして終了。ホームへ戻ります。


夜になると、ライドに取り付けられたLEDが光ってイルミネーション。流星コースターです。うーむ、いい写真が無い。このすばらしさはぜひ自分の目で!と、ごまかしておこう。

LEDは白一色。ただ光らせてるだけじゃーございません。前方の車輛をまぶしいくらいに輝かせ、後方に向けて段々明るさを減少させていく「コメット(彗星)・モード」、前方から後方へ光が走っていく「シークエンス・モード」、突然ストロボのように光る「パパラッチ・モード」など、その光りパターンはなんと41種類もあるとのこと。これらのパターンのうち、どこでどのパターンを光らすかってのはあらかじめプログラムされていて一回の走行では、その場所場所にあわせて決まった光り方をします。一回の走行で41種類のパターンを使いきれるわけはないので、今後違ったパターンの光り方も見られるってことですね。ちなみに、このLEDやら、搭載オーディオやらの電源はどーなんてんの?ってはなしですが、ホームでの乗降のほんの1分程度の停車中に充電しているんだそうです。へぇ〜。


夜はエントランスも怪しげな色にライトアップ

大型コースターをテーマパークに作るってーと、やはし景観を壊してうんぬんな話になるわけなんですが、このLEDによる流星コースターはまさに逆手をとったうまいアイデアですねー。景観を壊すはずのコースターが逆にイルミネーションになってパークを飾り立てちゃうわけです。余談ですが、乗車中にみる夜景、特にファーストドロップの夜景がすんばらしいので、余裕があればごらんあれ。



んなわけでだらだらとレポートしましたが、このコースターは世界を轟かす超絶絶叫マシンではありません。このことはオフィシャルでも公言されています。じゃあなんなのよって話ですが、オフィシャルの言葉を借りると「新感覚コースター」です。ここで言う「新感覚」とは、今までに無い爽快感・開放感を味わえるコースターということですね。開放感抜群のライドで驚きの滑らか静音走行・・・痛い思いをしたり、無理なGがかかったりなんてことは一切ありません。んもー、全身脱力でライドに身を任せてOK。そして上質なエアタイムで浮き浮き体験。

国外にはNitroのように、この爽快感を味わえるコースターは当たり前のように存在しているわけで、これに近い感覚がついに日本でも味わえるようになったわけです。なので正確には「(国内では)新感覚」でしょうか。また、メガコースターとオーディオシステムの融合は、他では味わえないここだけの「新感覚」と言えますね。



このコースターのターゲットは「万人」です。USJというパークの性質上、コースターが苦手な方からマニアまですべての人を楽しませることができる絶妙なラインを目指したとのこと。そういう観点で見ると、たしかにいいところついてるなぁという感じ。なのでこのサイトをちょくちょくのぞいてくれているような絶叫フリークには、はっきり言って絶叫度は物足りなさが残ると思います。でもけっして、ぬるいダメコースターという結論にはならず、2度、3度とリピートしたくなる満足度が得られるはずです。まさにこのコースターの意図したとおりの感覚といえます。

逆にアンチコースターの方、特に「TDRのコースターくらいなら楽しめるけど、富士急とかのはこわくて乗れましぇーん」というあたりの方、だまされたと思ってちょっとがんばって乗ってみてください。コースターは痛くて振り回されてなにがたのしいんじゃい、と思っている方、その誤解はこのコースターで解消します。きっといままで経験したことの無い「新感覚」が味わえると思いますよ。

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