■よみうりランド

バンデット
1988年の登場以来、今もなおよみうりランドの看板コースター。当時は世界最高速度なんて記録も樹立した、FUJIYAMAに並ぶ純国産の名機です。スペックをみれば時代を感じるもので、今のコースターには見劣りします。しかし、他のコースターには真似のできない魅力が満載のコースターです。



バンデット、英語で書くとBANDIT。辞書を引いてみると山賊ってな意味。コース全景を見て納得。森の中を縦横無尽に突っ走る、あー、なるほどなんとなく、山賊ねってな感じ。このロケーションがこのコースターの最大の魅力です。ちょっとちゃんと上の写真を見てちょうだいな。コースは手前のところだけじゃないわよ。よく見ると右の白い木製コースターのあたりまでレールが延びてるでしょ。こんなに広大な、しかも緑満載の中を疾走するコースターが他にありますか?少なくとも日本の大型コースターでは他に類を見ない、優れたロケーションのコースターってわけです。




駅舎に付いている看板を良く見ると実は副題があって、「ワイルドログコースター バンデット」。 てなわけでライドはとってもログ(丸太)な感じ。見てまず気づくのは、何とびっくりショルダーハーネスがあります。どう考えてもショルダーハーネスが必要なコースレイアウトではないんですが・・・。開放感大幅ダウンと共に、構造上、先頭以外は前のシートのヘッドレストで視界も悪くなります。これはほんとに残念なところです。



早速乗り込むと、スタート時にはみんなで「GO!GO!バンデット!」の掛け声。なんだか中途半端なノリですが、まあよいです。以前はなにもなかったし、ないよりはぜんぜんOK。雲泥の差です。出発すると右にターンして、カリカリ巻上げ。最高部51mってことで、なかなかの高度です。眼下に広がる大パノラマとこの先走っていく、緑に絡んだ気持ちよさそーなレールを眺めてにやにやして、隣のお友達に気持ち悪がられましょう。



頂上はちょっと平坦部分があり、そしてファーストドロップ。角度はかなり緩やかで、ドロップというよりも、坂を下っているという表現の方が近いかも。絶叫ジャンキーには物足りないと思いますが、それでも緑に向かって気持ちよく加速していきます。



写真右端がファーストドロップ。これを過ぎると、大きくブーメランターンして、登りの水平ループ。体調によってはちょっとつらいかもしれないくらいの、そこそこのプラスGがかかります。水平ループを抜けて右へターン、さっきのブーメランターンの下をくぐるようにして進んでった先には・・・



はいココ!ぐあーっと登っていったこの頂上でちょっぴり浮きます。ちょっぴりしか浮きませんが、見逃さずにエアータイムを堪能しましょう。ちなみに左下の物体は!・・・・指です。まぁ気にすんな。なんかピントもあってないしいまいち・・・うーむ。



うすーいエアタイムのあと、ちょい上昇して右ターン・・・の直後にいきなりの大ドロップ。コースも中盤でだいぶ位置エネルギー消費したはずなのに、なぜここに来てこんな大ドロップ?!ヒントはスペックの中に隠れています。最高部の高さ51m、最大高低差78m・・・ん?おかしいですね。最高部の高さより高低差の方がでかい。そうです、このコースター、丘陵な地形を利用して、ファーストドロップの最下点よりもさらに低いところに落ちていくわけです。それで中盤以降でもこんな大ドロップが味わえるわけですね。これがこのコースター最大の特徴であり、魅力でもあります。

大ドロップ後上昇すると、Uターンするような感じに右ターンしますが、なかなか無理な曲がり方をしているようで、かなり左に振られる感じで痛いです。ここだけは覚悟して構えておくのが吉です。



右ターン後、さっき大ドロップした谷へと再びドロップ。こちらは平坦なところからポンッと落とすドロップです。ブレーキゾーンが見えますが、緊急停止用らしく、通常走行時はかかりません。よって、なかなかスピードが乗った状態で、ポンッです。これがきもちいい。ドロップ規模もさっきの大ドロップに見劣りしない規模。コースの終盤にこれだけのドロップが味わえるのはすごいことです。
ドロップ後の上昇のてっぺんで、またもちょっぴり浮きます。最後のお楽しみで堪能しましょう。



最後はひょいっと上昇してブレーキングして終了。さて、よいこのみんなは気づきましたかね。このひょいっと上昇してブレーキング、どこかで見たことありますね。有名どころではFUJIYAMAですね。というわけでこのコースターはFUJIYAMAと同じトーゴ製。このひょいっとブレーキング(勝手に命名すんな)はトーゴ製の特徴ですね。

このコースター、乗る前は怖かったけど乗ってみたら楽しかった!って人多いのではないでしょうか。FUJIYAMAなんかに比較して、ファーストドロップもマイルドだし、スリル度を追求したようなコース展開はありません。古い割には乗り心地も悪くなく、緑の中を爽快に駆け抜けていきます。規模の割には敷居が低めのコースターではないかなと思います。大型コースターの入門機としてお勧めできるコースターです。実際、このコースターで目覚めたって人もよくききます。逆にマニアの間でも絶品コースターとして名前があがることが多い、そんな優良コースターです。


■期間限定のお楽しみ■
ここ数年、期間限定のイベントが行われるのが毎年恒例になっています。いずれもいつもとは違った体験ができるもので、新たな魅力を発見できちゃうかもです。イベント開催中は各イベントバージョンと通常バージョンの交互運転になって、並ぶときに選択できます。

逆走バンデット
イベントその1、「逆走バンデット」です。原則、秋に期間限定で実施されています。逆走ということはコースを逆走・・・は、構造的にできるわけないので、後ろ向きに走行ってことですね。上から二つ目のライドの写真の奥に黄緑のライドがありますよね。これが逆走バンデット用ライド。普通のとは逆向きにシートが付いてるのが分かります。


よくわからん写真しかなかったんですが、左上の方にホームが見えるでしょ。ってことでこれが巻き上げ中なわけです。そんでもって背面にダイビングーなわけなんですが、正直あまり楽しいもんではないです。せっかくの爽快感がまったくなくなってしまい、このコースターのいいところを全部打ち消してる感じ。むしろ軽く酔ういきおいです。まぁ、この規模のコースターで背面走行はなかなか無いし、目新しい体験であるのは間違いないので話のネタに一度どうぞってとこですね。


スプラッシュバンデット
イベントその2、「スプラッシュバンデット」。スプラッシュというからには濡れます。濡れるってことは当然夏季限定。とはいえ池にグレートにザブーンとかができるわけは無いので通常の走行をしながら水を掛けていただけるってことですな。2007年現在のスプラッシュポイントは・・・まずはスタートしてすぐ水柱がずどーん。これはほぼ濡れません。見た目の演出ですね。


そしてその後に待ち構えてるのが、この水鉄砲隊。一般のゲストが外から水鉄砲をばりばり撃てます。みためしょぼいくせに、地味に被害を受けます。


ファーストドロップで食らうのが、2007年から導入のウォーターキャノン。コレが強烈。「スプラッシュったって、国内の遊園地がやることだし、びびるこたーねーだろ」と甘く見て挑んだものの、この水柱につっこむ直前で・・・「あ、いや、ちょっとまった。コレは結構・・・・」


ってことで、これが水柱突入の瞬間。大粒の水しぶきが大量に・・・。先頭だとTシャツが肌に張り付くくらいばっちり濡れます。まぁ、まだしゃれになる程度ではありますが、結構本格的に濡らせてくれることにびっくり。いやしかしここ数年で国内各パークの水濡らし系が激化したように感じます。個人的にはUSJの功績が大きいのかなーなんて分析。USJで「水しぶき」ではすまないレベルの水濡らしが一般に受け入れられたのを見て、TDRなんかでもに本格的な水濡れイベントが始まったような気がします。


3回目のスプラッシュポイントはセカンドドロップ後、水平ループに入る直前。写真はスプラッシュじゃないノーマルバージョンのものですが、スプラッシュなときは両側のバーから霧状に水噴射です。まあ一瞬だし、たいしたものじゃなし。


最後のスプラッシュポイントは最後のひょいっとブレーキング直前。なんと放水マンとしてお兄さんが待機していてホースでじゃーじゃーやってくれます。これはなかなか新鮮。ひょいっとブレーキングのレポのところの写真の右上でも両手ふってますね。スプラッシュになると、このにーさんが放水マンに変身です。速度も落ち気味のところでまともに狙われたら相当な濡れ方をするはずなのですが、上方に噴出して水しぶきにするようなかけかたなので濡れっぷりは思いのほかマイルド。ここはもうちょっと濡らしちゃってもいいんじゃないかなぁ、なんて。


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