■アメリカ絶叫ツアー2011 [Page1]

■前書き
アメリカにどうしても乗りたいコースターがあるんです。でも普通の日本人が観光に行くようなところじゃないんです。ましてや行くからには観光なんてしない、ひたすらコースターに乗りまくる絶叫ツアーになるんです。するってーと、一般人に話を持ちかけてものってくるわけがない。でも、マニア仲間さんたちとはスケジュールが合わない。じゃあどうすんのよ。ええい、一人で行ってしまえ!と、思い立って半年ほど計画ねりねりした絶叫ツアーを敢行してきました。初一人海外旅行、海外運転6年ぶりかつ2回目、英語力中学レベルという状況でいきなり難易度高めの旅程。国内旅行に近い感覚で旅程組んじゃったけど大丈夫なのか?楽しみより不安の方が若干勝り気味の心持ちで旅行スタートです。

通常であればアトラクション毎のレビューを書くところなんですが、今回はそれ以外にいろいろあったので旅行記的な感じにしたいと思います。いろいろありすぎて、正直、遊園地・アトラクション以外のことの方が多い感じなので、「お前の旅がどんなだったかには興味ないわ!」って方は時間の無駄使いにならないようにご注意くださいませ。それぞれ話題の開始部について、パーク名、アトラクション名を赤色にて強調してありますので目印にどうぞ。

■1日目
時は2011年8月。前日から羽田近くのホテル入りし、羽田発の早朝便に乗る。諸手続きは滞りなく済み、搭乗ゲートへ。搭乗開始して列を成す中、ここで先を急いだってなんの意味もないのであわてず騒がず、いつもどおり列がひいたころに、のそのそとゲートに向かう。ゲートでチケットを通すとなんかエラー。
係のおねーさんが、

  「INVALID SEATでーす」

なにそれ、シートのオーバーブッキング?でーす、じゃねーよ。こちとら何ヶ月前からシートの確保してると思ってんだ。通路側じゃなくなっちゃいました、とか言ったら一言文句言おうと思いながら待ってると、

  「ビジネスのご用意が出来ました」

ああ、はい、え?びじねす?ってあの目玉ぽーんってなるようなお値段の貴族席のこと?うおーまじかー、とテンションMAXなのを必死に冷静を装ってシートへ向かう。

 




すげーよビジネス。コース料理的なメニュー用意されてて料理選択の注文とりにくるし、いろんな銘柄のワインやらシャンパンやら飲み放題だし、ヘッドホンはBOSEのノイズキャンセルだし、アメニティは使いきれないほどついてるし。
 




シートアレンジ多彩すぎ。介護用ベッドかよってくらい。前後には動かなくていいだろー。当然フルフラットになるし、まくらも布団もふっかふかで超快適安眠。以降の旅程の体力温存のためにビジネスの特典もあまり堪能する間もなく、どっぷり熟睡。
 




熟睡から目覚めるとJFK空港に到着。今回の最初の到着地はシンシナティなんですが、なぜかJFK。まあ乗り換えなわけなんですが、JFKつったらニューヨークですよ。
シンシナティ行くのにニューヨーク経由って、どうしちゃったのかと思う旅程ですが、安いってのと、乗り換え9時間あるってことはおまけでConey Islandも行けちゃうじゃん、ってのが採用の決め手。

と いうわけで早速地下鉄を乗り継ぎConey Islandへ向かいます。「早速」とは言ったものの、実際には荷物預けるのとかに手間取りなかなかいい時間に。いずれにせよ、パークオープンはAM11:00のはずなのでそのくらいにはつけそうだけど、やっぱり時間無いなあ、と思ってたら直前の駅でなぜか地下鉄を降ろされる。
 




はて?と思いつつ駅員らしき人に聞いてみたらシャトルバスに乗れと。どうやらこの先地下鉄が運休のようでバスで振り替え輸送してるみたい。ええー。ただでさえ時間ないのに、この英語力の人に振り替え輸送って難易度高いっす。無事帰ってこれるのか不安になりながらも、とりあえず来たバスに乗っちゃう。

Coney Islandには去年も来ているので、見覚えのある場所に到着したころでバスを降り、無事到着。いやしかしなんだね、去年も来たってことは富士急なんかより頻繁に来てるってことか。なんかへんなの。降りてバス停やらの表示を見るも、案の定帰りはどうすればよいのかよくわからん。まあいいや、なるようになるだろう、ということでパークへ向かう。

まずは今年2011年の4月にオープンしたScream Zoneへ向かいます。Scream Zoneは2つのコースターとSky Scraperと逆バンジーを新たに設置したエリアで、今年出来たってことは当然未体験。今回Coney Islandに来た目的その1です。
 




まずはコースターの一つ、SOARIN' EAGLEへ。Zamperla製の小型のフライングコースターです。
 


フライングと言うからにはこんな感じで腹ばい状態で乗ります。なんか一両編成な見た目は富士急の幻のコースター、バードメンを思い出す感じ。
 






ライド詳細はこんなの。下のはしごみたいなところに立って、背中からハーネスをがっちゃんこ。走行中はこれがぐいーんと地面と平行になるように上がってフライング状態になります。気になったのは、作りがアメリカンサイズなのか体の固定がゆるゆ る。走行しだすと、フライングと言うより、体固定するために下 のはしごなところに突っ張って横に立ってる(?)み たいな感覚だった。




スパイラルリフトと言う、こんな感じのらせん状のレールの中心の青いアームがくるくる回ってそれでライドを押すことによって巻き上げる方式が特徴的。
 




乗ってみた感じはまあ規模相応。大きなドロップがあるわけでもなく、旋回とあの短いコースにハートラインロールが2回織り込まれており、よく回るなあと言う印象。痛いことも無く、乗り心地は悪くない。
 



次はお隣にあったZENOBIO。日本には無いものの、諸外国では散見される、いわゆるSky Scraperです。なに気に未乗車だったのよね。
 



ながーいアームの両端に写真のようなライドがついていて、ぶんぶん回される。その勢いでライド自体もぐりんぐりん自由回転。ちなみに上の写真、背面側にもシートがあって、片端4人乗り。




こりゃ気持ち良いね。頂上まで行って落とされる時にながーい浮遊感が味わえる。この時はがら空きだったんだけど、乗ってる時ちょうど別の乗車客が来てくれて、お約束のアームの反対側の下で乗車してる間中、上でぐらんぐらんしながら待ちぼうけな体験もできて満足。
 




そして最後にもう一つのコースターであるSTEEPLECHASE。いわゆるモーターバイク型のコースターだと思うんだけど、なんか違う。
 




   
う わ、馬だ。しかもなかなかの謎デザイン。なんで下向いてんだよ。前足ぐんにゃりだし。よくわかんないけどとりあえず乗り込む。他に客もいなかったので、乗り込んだらすぐに「じゃ、スタートー」って、え?ちょ、ハーネスは?まさか無し?と微焦りしていると足元と背中にグイーンとハーネスがあがってきて固定。なかなか簡素なハーネスだ。ぱっと見それらしきものが無いからちょっと焦ったじゃないか。
 

   
スタートはロケットスタート。時間無くてよく見てこなかったけどワイヤーで駆動する方式みたい。なめきっていたこともあり、意外にもぐっとくる加速でおおぉ、っとなる。馬のくせにスタートダッシュがんばりすぎである。




コース的にはやっぱりモーターバイクってことでハングオンを意識した、バンクのついた緩やかな旋回を繰り返す感じ・・・あ、いや、馬だった。関係ないじゃん。

逆バンジーであるSLING SHOTは時間の都合でパス。何年も乗ってないから、いっときたいとこだったんだけど残念。この時点で時間が結構ピンチ。小走りで目的その2へ向かう。1年と2ヶ月ぶり、CYCLONEだ。このコースターの詳しい話は前回乗車時のレビュー参照。
 


   
こ こら一帯のアトラクションは、こんな裏にバーコードがついてるLUNA CARDってのにプリペイドでチャージして各アトラクションのゲートにある装置で読み取らせて必要クレジットを使用して乗るシステムになってたんですが、CYCLONもこのシステムに参加するようにリニューアルされてました。ということはですよ、そう、あのレトロなチケットがなくなっちゃってんの。ついでに、乗車後に現金渡したらそのままもう一周のシステムも無し。リニューアルで効率化は分かるんですが、このコースター故にこのあたりは伝統として残してほしかったなあ。でもレトロチケットブースは健在していて、チケット販売の代わりにLUNA CARDチャージが出来るようになってました。


   
入口付近には新たにテストカーも設置されてました。オープン前の写真なので、なんか踏み台乗っかっちゃってガラクタみたいな風貌だけど。ちなみに入口は以前のチケットブース横から変更。


   
金網フェンスでダンジョン状態だったキューラインも普通な感じに変更。慣れた足取りで荷物預けにカウンターまで進む。ダメもとで、先頭乗りたいから次回待たせてくれって言ってみたんだけどだめだった。あとでよく見たらダメって注意書きがあったわ。仕方ないので、とりあえず乗車感再確認のため前回と同じ最後尾へ乗り込む。走り出して確認、うん、やっぱりありえないわ、この挙動。一応前回よりは神経を研ぎ澄まし、微浮きするキャメルバックも存在することを確認。でももうエアタイムとか言ってる次元じゃないもん。普通はコースター乗り慣れてれば先行くコースを見れば、ある程度挙動は予想がつ くわけ で、それに身 構えたりするわけなんだけど、これはもうどっかんどっかんまったく予想外の挙動がやってくる。オフロードコースターだなこりゃ。

しかも今回再確認できたことは、ライドの安全バーが決められた位置にがちょんとはめ込むタイプなので膝まできっちり締まりません。そんな状態でオフロード走行なので右足のももを強打!うわ、まじいてー、と思いながら、よせばいいのに降りたその足で連続乗り2回目。だって最後尾以外の感じを確かめるのも今回の目的だったんだもん。やっぱり先頭はだめだったので2両目に乗り込む。うん、同じ、違いわかんない、どっかんどっかん放題だ。すると、2回目でも右足の同じ場所を再度強打!うぎゃああああぁぁ、これはだめだ、ギブ。その後は必死にしがみついて完全に苦痛でしかなかった。去年乗ったときはこんなこと無かったのに。ベンチシートに2人乗車か1人乗車かの違いかしら。

降りてみてびっくり、まともに歩けません。完全に右足引きずってる。いやいや、これはまずいですよ。ちょっとしゃれになってないよ。この出来事が後の旅程に大きな影響を及ぼすとは、この時には知る由も無いのであった。うそ、必死に知らないフリをしていたのでした。

CYCLON乗り終えたところで、すでに予定の時間をオーバー。十分見込んだ余裕分を食いつぶしてるくらいの時間。振り替え輸送の件もあるし、やばいやばい。右足を引きずりながらとりあえず地下鉄の駅に行ってみると、なんか人もいるし動いてんじゃね?乗車カードを自動機で買おうとしたら、あり?でてこない、ていうか大量のダミーカードがたまってんですけど、なにこれ。
 

   
はて?と思っていたら、若いにーちゃんがこれだよ、っと自動機から出てた見慣れない紙の乗車カードを手渡してくれた。んでもって、状況を説明してくれてるみたいなんだけど、

  にーちゃん「ぺらぺーららら・・・というわけなんだよ、わかった?」
  自分「うーん。わかんない。ゆっくり、シンプルにお願い。」
  にーちゃん「おっけ。ぺらぺーららぺららら・・・」

にーちゃん、変わってないっす・・。どうやら乗車カードの、チャージの仕組みから説明してくれてるようなんだけど、その辺は分かってるのよね。結局、「ごめん、わかんないや、ありがとう。」と言って改札の方に向かうと、中の方がテープで封鎖されてる。あーやっぱだめなのよね。この紙の乗車カードが振り替え乗車券的なもので、バス乗れってことよね、と自己解決。ていうか紙の乗車カードちゃんと見れば書いてあるし。駅の入り口に戻るとそれらしきバスが並んでる。どれ乗ればいいのか不明。運転手に必死に訴えるも「はぁ?おめーなに言ってんだ?」的なお答え。落ち着いて表示などを確認し、地下鉄の路線毎に振り替えバスが出ていることを理解。無事、目的の路線のバスに乗り込み、なんとか運行している地下鉄の駅にたどり着き一安心。空港に着き、右足を引きずりながら慌ててセキュリティチェックに向かうも、それほど混んでることもなく、無事シンシナティへ飛び立つ。

定刻より一時間くらい遅れてシンシナティの空港に到着し、レンタカーの手続きをなんとか完了して車へ向かう。
日本でレンタルしてきたWiFiルータが充電できねーぞーとか、レ ンタカーのレンタル時の車体の傷チェック表、チェックされてる以外にも傷ありまくりなんですけどー、とか数々のトラブル対応をしているうちに20時をとっくにまわるくらいのお時間に。今日は行けたらKings Islandにも寄ろうかと思ってたんだけど、さすがに今からじゃほとんど居られないし、足も痛いし、ってことであきらめてルイビルのホテルへ向かう。

ホテル到着。時間はすでに24時を過ぎるくらい。なんだか看板も消えて真っ暗。まあ24時過ぎてるしね。でも事前に24時すぎるかもということは連絡してあるから大丈夫なはず、っとフロントへ向かうとフロントも真っ暗。いや、なんかランタンつけて営業してる?なにこれ、節電にしちゃやりすぎだろ。

話を聞くとどうやら電源が落ちるトラブル発生で、全館停電だそう。最初は「電気使えないけどいい?」って言ってるのかと思って、もう寝るだけだしシャワーさえ使えればいいやと思って「シャワーは使えんの?」とか聞いてみたんだか、そうではなくてチェックイン自体が出来ないとのたまう。じゃあどうすんのよ。

  ホテルスタッフ「予約を代わりのホテルに変更します。まずこの名刺に書いてある電話番号に電話してください。」
  自分「ふむふむ。(自分とこのホテルチェーンの本部かなにかかな?)」
  ホテルスタッフ「その上で、あの向かいに見えるホテルに行って泊まらせてもらってください。」
  自分「ほうほう」
  ホテルスタッフ「追加チャージなどは一切かかりませんので。」
  自分「あー、そうですか、それならいいですね。」

って、よくねー!その作業俺がやんの?!この英語力の人に無茶言わないでください。仕方なくとりあえず向かいのホテルに行き、まずは車の中で名刺の番号に電話してみる・・・でません。それならば、とフロントに行こうと思ったら、ドアに鍵かかってるっす。中に人も見当たらない。なにこれ、どうすんの、どうすりゃいいの。予約時に宿泊代支払い済みだけど大した値段じゃないし、もうこの予約自体はあきらめて、新たにホテル探せばいいか?なんだったらこのまま明日の予定のHoliday World付近まで移動して車中泊でもいいか?というあたりまでを覚悟する。

今日朝から1日目にして次から次へと問題起き過ぎだろう、と夜中に窮地に立たされながら、何かが吹っ切れる。こんな経験めったにないじゃん。もういいや、とことんやりますよ、もう。なんだか楽しくなってくる。トラブルをイベントとして楽しむモードに突入である。

元々泊まる予定であったホテルに戻り、「電話は出ないし、鍵閉まってるよぉ」と訴える。もう一人居たスタッフも参加し、いやどうしようかねえ、とみんなで大騒ぎ。真っ暗なこともあって非常事態な雰囲気満載で、もはやわくわくしてる自分がいる。電話帳で近隣ホテル何軒か問い合わせてもらい、数マイル離れたところに空いてるホテルを発見。ここ行け、と電話帳の住所を見せられる。またまた無茶を言う。日本国内だって知らない土地で住所だけで目的地行くのはつらいぜ。そこで、持っててよかったスマートフォン。マップを見ながらなんとか場所を教えてもらい、代替ホテルへ向かう。

今度は鍵がしまっていることも無く、早速スタッフに状況を説明。予想通り何も聞いてない様子。さっき電話したんだから事情説明しといてくれよー。筆談も交えて必死に交渉。元々泊まる予定だったホテルに電話がつながらず、連絡がとれないと請求先も分からないし、みたいな。まあそうだよね、ごもっとも。結局、事情はわかったのでまたあとで電話してみるからとりあえず泊まっていいよ、ってことでやっと部屋に。

つかれた・・・。時刻はすでに27時前くらいだったと思う。何はともあれ、痛む足にドラッグストアで買った湿布を貼りまくり、就寝。




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